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雑記

ホームオートメーション戦記

かつて夢見られていた、家中の家電の自動化時代に踏み込みました。IoT 化の始まりです。まずはホームオートメーションというか、家電が連携して半自動的に動いたり、音声認識と連動してこれまでよりも便利なユーザー体験を実現できるようになってきました。

ところが、まだ夢の世界には程遠く、とても敷居が高いのが現実です。iOS に HomeKit が搭載されてから時間が経ちますが、一体どれぐらいの人がその恩恵を受けたことがあるでしょうか。

これは、ただ単に単純な家電の音声操作と連携動作を試みただけの、戦いの記録です。

結論から言うと、現在この様な構成に落ち着いています。

  • 音声指示を受けて操作を伝達するハブ: Alexa – Amazon Echo
  • Amazon Echo とつながっていて電気の ON/OFF や色の変更ができる照明: Philips Hue / IKEA
  • Amazon Echo が直接操作できない赤外線対応の家電の操作をするリモコン: Nature Remo
  • テレビ(モニター)でのコンテンツの視聴: Apple TV

Amazon Echo は電球操作のためのハブになるので、電球を買い足すだけで照明は操作できます。厄介なのは赤外線操作が前提となっている家電全般です。そこは、Nature Remo が優秀で、大抵の家電はリモコンの赤外線信号を覚えさせれば操作ができるし、Nature Remo 自体が Amazon Echo とつながって Alexa の言うことを聞くので、操作できる範囲がぐっと広がります。かつ、湿度や温度も Alexa に伝えることが出来ます。

一見すると落ち着いているのですが、いくつか問題があります。

まず、Amazon 陣営 Alexa と Apple 陣営 Siri が共存してしまっているので、壁が存在していることです。Apple TV は Alexa のエコシステムに組み込むことができないので、本当にテレビの中身まで操作したかったら、Fire TV に切り替える必要があります。そうなると逆に Apple TV に依存している作業ができなくなってしまうので、現時点では、テレビがついた後は Siri に話しかける必要があるわけです。

現在のホームオートメーション市場での覇権争いの結果、極度にスリム化を目指してもこのような複雑な構成が必要となっています。Alexa に頼るのをやめるために、Amazon Echo から HomePod へ切り替えるのが Apple 的なスマートホームなのでしょうが、そうすると今度は、Alexa から Amazon での買い物ができなくなるという問題が発生します。ちなみに Google 系は音声での検索が比較的優秀なのですが、複数端末の同時使用はユーザー側が混乱するので、どれかに絞るのが必要です。3人の音声アシスタントを統合してくれるもうひとりがほしいと思ってしまいます。

他にも、現状の構成で直面している問題はあります。
Alexa のいくつかの予約語が邪魔をして、複数の操作を自動化して連結させるワークフローが機能しないことがあるのです。たとえば、部屋を出るときにすべての電気を消すという自動化ワークフローがあったとして、それに「いってきます」とか「さようなら」というキーワードを設定すると、想定と違う回答が返ってきます。電気を消してほしいのに、「はい、いってらっしゃい。またね。」とか言われるわけです。
英語でも日本語でもこの部分の問題があって、どうしたものかと悩んだ末、現在すべての電気を消す処理には、「バルス」というコマンドを設定しています。これなら、予約語とかぶりませんでした。
電気を消すだけなら、全部を消してと言うだけでいいのです。でも、消すだけの時と違い、消す+出かける前の情報提供(例えば天気情報とかの提供)を意図したい場合、別途このようにキーワードを設定することになるのです。

ここまででも、だいぶ苦戦しているように見えますが、これでも相当マシになりました。以前は、もっとひどかったのです。

以前は、IRKit という小型のデバイスを使っていました。Nature Remo の前進のデバイスです。非常に優秀なもので気に入っていたのですが、趣味プログラマーのおもちゃになるような商品なので、設定する過程がすでに一般向けではありません。
赤外線センサーを使って、リモコンから発する信号を解析し、記録して使います。iPhone をリモコンとして使うだけなら、それだけでも OK なのですが、Alexa と連携させようとすると大変です。信号を解析したら Mac で必要な部分を取り出し、IFTTT を使ってインターネット経由でコマンドを生成して信号を送信させます。さらに、IFTTT を使って Alexa と連動させ、音声操作を実現します。Alexa の音声認識を正しく拾って IFTTT で認識される部分は職人技が求められるので、こんなことをやるぐらいなら手でボタンを押したほうが良いぐらいにはめんどくさいです。

こういう構成を日々改善しているわけですが、思うことがあります。このプラットフォーム争いに、全く日本の会社の製品が入ってこないことです。選択肢にすら出てきません。
いまさら日本の会社がとか、国ごとにどうこうとか考えることは無いのですが、単純に思うのです。あれほど強かった家電メーカーが何もやっていないことが不思議で仕方ないのです。スマートフォンという入り口を Apple や Google に奪われたという時点でゲームセットだったのかもしれませんが、それでもホームハブという面ではテレビが優位に立てたはずです。PlayStation だってある SONY にも、可能性はあったはずです。しかし、まさかの Amazon にまで完敗しているわけです。Amazon には、EC の価値の最大かという大きなプラスのインセンティブが働いており、ビジネスモデルとして圧勝できる仕組みがあったから参入したわけですが、SONY やその他の日本の企業にはその発想自体が無かったということなのでしょうか。

これもまた、ゲームのルール自体を作り、自分たちに有利な条件に変えて戦うアメリカ企業の強さが表れた事例だと思います。プラットフォームを抑えられたら、交換可能な単発の製品を出し続けるしかありません。

Apple、Google、Amazon は当然として、Facebook もこの分野への参入を進めています。Philips や IKEA などヨーロッパ勢も、違ったアプローチで共存をはかろうとしています。その戦いの勢力図を俯瞰してみることも、ホームオートメーションの楽しみのひとつです。

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