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雑記

Apple はいつまで蚊帳の外にいるのか

ChatGPT がいくら盛り上がっても、AI ブームが来ても、いつもの通り我が道を行く Apple。残念ながら短期的には、Apple が直接的に収益を得るチャンスが無い。ネイティブアプリも存在しないため、OpenAI のサブスクモデルに決済レイヤーとして仲介することもできず。

そして Microsoft と Google が必死に、人をデバイスの外へと引っ張り出そうとしている。デバイスの外で、自社のブラウザーを通して、AI との対話を継続させようと試みている。Apple のハードウェアはただの対人的な最終接点であり、計算も対話も Apple が介さないレイヤーで完結させることに徹している。すでに、仕事や生活のための最高のアシスタントとなれる AI を全面に押し出して、得意のクラウドサービスへと人を誘っている。手元の端末は、電池さえ長持ちすれば良いと言わんばかりに。

プライバシーを盾に、クラウドから人を引き剥がし、独自のクラウド環境・サブスクモデルへと囲い込む Apple の戦いは、最終局面でひっくりかえされそうだ。Apple は自らに課した縛りにより、デバイスの外の情報にアクセスができない。仮に Apple が Generative AI に歩み寄るとしても、独自のハードウェア内部に隔離された装置だけでは、競合に勝る性能が生み出せない。

Apple に情報がなくても、Apple のデバイスにはある。隔離された領域には、桁違いの個人情報がある。うまくモデルが噛み合えば、エネルギー効果の高い高性能な AI が誕生する可能性はある。それに、iPhone/iPad は当然として、Watch や AppleTV、AirTag なんかも含めれば、情報源や計算資源は相当量が市場に放出されていると考えることは可能だ。AirTag の位置特定メカニズムがそうであったように、思いがけない Apple の顧客資源の転用が起こる可能性はあるのではないだろうか。

データセンター側に収集した膨大なデータをデータセンター側で高度な計算能力によって解析する先行者と、端末に隔離したデータを断片的にユーザーに持たせている Apple。融合したら世界は激変するだろうけど、そうは成りえないわけで、この先も排他的な囲い込みによってライバルの勝利を確定させない段階へと進む。

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