大変共感する Tweet を見ました。 情報過多の時代に伝えたいことを広く届けるために意識しておくべき見解です。
今の世の中、解決しなければならない問題で溢れています。人によって優先順位も異なるし、何に重きを置いているかも違います。全世界で掲げられている SGDs でさえ、17個もの問題を同時に扱っており、1点突破ができているわけではありません。
しかしそれは当然必要なことであり、切り捨てずきちんと問題を整理し向き合うスタンスは、国際社会全体で共有すべきことであります。でも企業や個人が問題解決に取り組む場合、SDGs で取り上げられる全ての問題を解決すると言っても誰にも信じられないばかりか、見向きもされず、記憶もされません。
そもそも現代社会の問題は高度に複雑化しており、多数の階層に積み重なって組み合わさって抽象化されています。その上、目先の小さな問題や出来事まで SNS で高速に拡散されバズる社会です。人々が認識できる情報量の限界をとっくに超えており、重要性の高い問題を認知できるかどうかという以前に、そもそも聞く耳や見る目のリソースが忙しく使われ疲弊しています。
だからこそ戦略的に、単一の問題をわかりやすく人々の認知できるシンプルな表現にまとめ、 感情面でも訴えかけをしなければ、 伝えたい人には届きません。アテンションという限られたリソースの奪い合いの中で、企業はマーケティングし、政治は人々を引きつけようとしています。そんな中で企業や政治の思惑とは異なることを伝えたければ、 やはり真正面から長々と説明しても敵いません。
Greta Thunberg のアプローチがどこまで計算されたものであるのか、あるいは組織だった戦略であるのかは踏み込んで考えませんが、結果としてはとてもうまくいっています。あまりにうまくいきすぎているので、再現性があるとも思えないのですが、あのアプローチがうまくいった事実は検証すべきです。
今の時代に必要なのは、価値のないものを価値のあるものだと思わせるようなマーケティングではありません。そうやって騙されるほど人々の知能が低くないし、暇でもありません。もちろん暇で考えることすら放棄しているような人たちを陽動するようなマーケティングがなくなる事はありませんが、持続可能な事業や活動を作っていく上では、また違ったアプローチが必要です。