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仮想通貨 用語解説

AMM

Automated Market Maker の略です。

マーケットメーカーとは、本来仮想通貨専門の用語ではありません。金融取引の市場で、売買取引が効率的に行われ、資産が流動的に動くようにする市場参加者を意味します。要するに、トレーディングが活発に行われるようにする役割を担う者のことです。市場によって形態は多様ですが、取引所自身や、取引所に参加する大口のトレーダーや金融機関がその役割を担います。
AMM は、仮想通貨の売買市場で、その役割を自動化したものと説明できます。自動化とはつまり、他の仮想通貨取引の市場の情報を参照し、スマートコントラクトを駆使して売買を行う仕組みです。

これまでの説明で明らかなように、AMM は主に DeFi の分野で使われます。中央集権型の取引所ではなく、分散型の DeFi だからこそ、他の DeFi と連携させ、大きなネットワークを作り、その中で資産を流動化させることが実現できるようになりました。

DeFi の中でも、AMM に関連する技術は特に注目されています。特定の個人や組織が AMM を担うのではなく、たくさんの人、たくさんのウォレットから資産を預かって、その資産を原資にして AMM を運営する製品が登場したのです。

例をあげると次のようになります。

  1. 投資家から仮想通貨の貸付を受け付けて仮想通貨のプールを作る
  2. プールの仮想通貨をスマートコントラクトで運用して売買取引市場の流動性を向上させる
  3. プールに貸付をしている投資家には運用成果として金利報酬を付与する
  4. 報酬は出資比率や事前の条件に従って仮想通貨建で自動的に付与される
  5. 投資家は任意のタイミングで仮想通貨を引き出すことができる

市場が活性化するので、売買市場を提供している取引所や、流動性を提供している AMM は、価格がどちらに動こうが手数料収入を得られます。
どの通貨建てで報酬が設計されるかや、資産が保有されるかに大きく依存はするのですが、投資家からすれば、元々保有したまま動かす予定の無かった仮想通貨を使って、効率よく金利報酬を得ることもできるわけです。

DeFi の分野では、非中央集権型取引所(DEX)を通じてこのモデルが実証されていますが、Binance をはじめとする中央集権型の取引所も、取り入れています。例えば Binance は、独自の提携網を活かし、世界中の仮想通貨取引所ネットワークを形成し、そこに流動性を提供するというモデルを構想しています。

AMM を中心とした DeFi の活性化に伴って、これまでは動かしようのなかった仮想通貨資産や、中央集権型取引所に預けたままになっていたもの、マイニングや ICO で手にして行き場を失っていた仮想通貨資産も、流動性を生み始めています。

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