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雑記

職域摂取という格差

日本でも新型コロナウイルスワクチンの接種は順調に進んでおり、ようやく緊急事態宣言も全面的に解除される見通しになりました。忘れないうちに、今回のワクチン接種加速に貢献した職域接種について思うことを残しておきます。

僕は比較的早い段階で、職域接種によりワクチンを打つことができました。幸運だったと思いますし、提供してくれた企業にも感謝しています。
体験して、かなりうまく統制され運営されていた印象を受けました。日本の大企業がいかにすぐれた組織力を持っているのかを垣間見る貴重な経験となりました。これまで大企業に入って活動をした経験が無いため、僕にとってはこれまでで最も社会を経験した時間でもありました。一気に接種率が向上したことはよく理解できます。
同時に、日本の経済成長を支えた底力は、技術イノベーションとかそういう部分では無く、職域接種で見られたような高度なオペレーションの部分にあったとわかりました。

職域接種の特徴は、ワクチン接種の優先順位を任意に操作できたことだと思っています。選挙で重要になる支持層や、医療体制の緊迫度で言えば高齢者を優先してワクチンを手配することは唯一の選択肢になってしまうのですが、中長期的に考えれば経済活動の再開を考えなければ、また別の問題が国に付き纏うことになります。そこで表現を変えて、優先順位を組み替えることに成功しました。

職域接種を拡大すれば、企業の高いオペレーション能力を予算を使わずに活用できます。予算も人でも足りない緊急時に、まさに最適なオプションです。
国際社会でのワクチン外交のメカニズム同様、企業にとっての格好のプロモーション、そして競争の場を提供したことで、余力のあった企業がこぞって申請をし役割を担ってくれました。

結果的に国としては、大きな声では言いづらい本音を隠したまま、働き盛りの若年者や高所得者、大都会に優先的にワクチンを配ることができました。
その事に不満を述べる声は大きくはなく、地域や経済的な格差をうまく隠蔽することに成功しています。

そう思った時、過去の戦前、戦中の有事の際には、似たような仕組みが使われたのだろうなと考えるようになりました。その時の経験があったから、今回も短期でこのような仕組みを立ち上げることができたのでは無いかと思ってしまいます。何が良いことなのかを今の時点で決めることはできませんが、事実として、日本の企業を巻き込むことで、日本のワクチン接種率が高くなった事は覚えておきたいと思います。

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