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雑記

映画泥棒になった日

映画館で珍しい体験をしました。

映画を見る時毎回、観客を泥棒よばわりする不快な映像が流れます。いわゆる映画泥棒ですね。まさにあんな感じで、自分が危うく捕まるところだったという話です。

先日映画館で映画を観た時、コロナ禍で通常とは異なるオペレーションになっていました。通常、上映開始時刻の10分前とかにはドアが開き、席につくことができます。おかげで、ゆっくり映画を観る準備をすることができるわけです。実際のところはそこからもまだ映画の予告編上映や映画泥棒の映像上映があるので、さらに10分ほど余裕があります。

これが少し違っていました。10分前にゲートは開いたのですが、中の消毒や座席間隔を開けるためのアナウンスなどがあったため、ドアが開くまでずっとそのまま行列になって待つことになったのです。予定の上映時間になったか少し過ぎたぐらいで、ようやくドアが開き、中に入ることができました。つまり、遅れて入場したわけではないのに、すでに予告編の上映がはじまっている状態だったのです。

まだ照明はついていましたので、急いで席につきました。その時、そう言えばチケットの写真を撮っていなかったなと思い出し、そのまま1枚撮影をしました。次に、壁面の IMAX のロゴともあわせて撮っておこうと思って、客席横の壁に向いてもう1枚撮影をしました。そして暗くなる前に iPhone の電源を切り、荷物を整理しはじめたのです。しばらく予告編を観ながら映画の待機をしていると、急に2人の係員が僕の前に文字通り飛んできました。中央の最前列部分だったので、通路に2名が来て、そのまま真正面に陣取りました。

普段ありえないことなので、何事かまったく状況が把握できませんでした。そして予想外になにか話しかけられたのです。何を言っているのかは、映画の予告編でよく聞こえません。何度か聞き返してようやく、盗撮になるので削除してください、という言葉が聞き取れました。
最初は何を言っているのか全く理解できませんでしたが、自分の行動を振り返って、さっきのチケットの写真がなにか問題だったのかなと思い、急いで iPhone を取り出し、電源を入れたのです。削除してください、じゃなくて、どうやら削除したことを確認するまで帰れませんというようなことを言われていたと思います。iPhone が起動するのを待つ間、そうか壁面を撮影したから、きっと周りの人の顔が写り込んだりしたのかもしれないと思いました。照明はまだ落ちていなかったので、ありえるなと思ったのです。でも、そんなことでここまで徹底した対応をするなんて、誰かにクレームでも入れられたのかなと、不思議に思っていました。
そして iPhone が起動したのですぐに最後の写真を開くと、壁の写真です。しかし、そこに人が認識できるようには写っていませんでした。これはなにが問題だったのだろうと、疑問です。でもカメラを向けられたことで誰かが不快に思ったのなら申し訳ないなと思い、上体を起こして係の人たちに近づき、確認をしました。これですよね、何も写っていないとは思いますが、どの部分が問題だったのでしょう?と。

すると意外な答えでした。この前にも撮りませんでしたか?と言われたのです。そう言えば最初に一枚、チケットだけで撮ったものがあります。それを見せると、これです、と指をさされてはっと気付きました。

なんと、チケットの後ろにかすかに写り込んだピントの合わないスクリーンに、ARASHI の文字がありました。そう言えば、興味がなくてまったく意識していなかったけど、嵐の映画かドキュメンタリーの予告編がながれていたのを思い出しました。席についてすぐでした。

つまり、ジャニーズの、嵐の写真を撮影したことで問題になったとのことでした。なるほど・・・、それはまったく気づかなかったし、意識すらしていなかったけど、ジャニーズの面倒くささは聞いたことがあります。というわけで、笑いそうになるのを堪えながら、わかりましたいまここで削除しますね、と伝え削除しました。そして、すみませんお手数をおかけしましたと伝えると、2人は再び飛び去っていきました。

そこまでチェックしていたなんて、逆に言えば、チェックしなければならなかったなんて、大変お疲れさまです・・・。すごいですね、ジャニーズ。そこまで怖いのなら、映画でやらなければいいのにと思いましたが、よく考えたら映画でやらないといけないぐらい、コロナ禍でアーティーストの発信の機会、ファンとの交流の機会が奪われているということなのでしょう。

会場と顧客に負荷をかける作品の存在に、納得はできないけどみなさまのご苦労は理解できたので、以降は作品に集中することにしました。
これって、他の映画でも同じ様に削除させられるのでしょうか。普通は予告編が始まる前に携帯の電源を切るので、比較できません。とりあえず、映画泥棒の気持ちがよくわかりまました。

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