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雑記

最初にナプキンを取る決意

わたしが「ナプキン」をとる。

その言葉を知ってから、いつも意識をしています。ジョジョの奇妙な冒険第7部、スティール・ボール・ランに登場するファニー・ヴァレンタインの名言です。

背景を説明します。これは、豪華な食卓の前で発せられた言葉です。大統領という立場にある人物が、自らの決意を表明するシーンです。

社会のルールがどのように決められるのか、だれにとって有利な社会になるのかについて、食器やグラス、ナプキンが並べられたテーブルの前でファニー・ヴァレンタインは解きます。これから始まる食事会で、右側と左側、どちらに置かれたナプキンを使うのかというルールは、最初に行動した者に支配されます。右を取ればみんなが右を取る必要性が発生して、左を取ればみんなが左を取ることになります。

最初に選択をし行動をした者がその場を支配し、ルールを決めます。これが社会の成り立ちであり、土地の値段も工業規格も、あらゆる物事は同じ仕組みで決まるとの考え方です。

確かにその通りです。この考え方を知った時、納得しました。現代社会の理は常に、先人たちの決定の上に成り立っています。どれだけそれが理不尽でも、決まってしまえばよほどのことが無い限り変わらないものがたくさんあります。過去に戦争や革命という暴力による奪い合いや転覆が起きたことも、ルールに対する違和感の表明が背景にあったからです。
誰かが決めたルールに何も考えずに従うことへの違和感は、昔から抱いています。たいてい、どこの誰かも知らない人がナプキンを取っただけで、後世の我々は縛りを受けるのです。それが万人にとって、あるいは多数の人にとって有益なことであれば良いのですが、多くの場合、ありえないほどの不公平がそこにはあり、最初に行動したものが有利になるゲームを受け入れるしか無いのが世の常でした。

だからこそ、未開の地に憧れるし、そこでは現代社会では実現し得なかった公平性が誕生する可能性を夢見るのです。DAO 型の社会であれば、それがスマートコントラクトによって実現できるのではないかという希望です。先行者であることにももちろんメリットは提示し、リスクに対するインセンティブを設計するべきですが、それが永続化しないしくみを取り入れることだってできるかもしれません。また、ガバナンストークンのような仕組み、ステーキングの考え方は、組織の、世界の秩序の維持管理のあり方に一石を投じると信じています。

それを実現させるかどうかは、結局のところ現体制が変化を受け入れるかどうかにかかっています。暴力による革命を起こすことなど許される時代ではないのだから、やるべきことはまずいまのルールの中で、最初にナプキンを取ることが許される立場につく事と、次の者がその決定に違う社会的関係性を構築することです。
ファニー・ヴァレンタインは大統領になりました。それは大変に敷居の高いことではありますが、まずはじめに重要なのは、最初にナプキンを取るという明確な意思があることです。そこだけは、忘れないようにしています。

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