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雑記

情熱大陸のフォーマット

情熱大陸のような人物紹介はどうやって作られているのだろうと気になって、1エピソードを早送りで見ながらリバースエンジニアリングしてみた記録です。毎回このように作られているというわけでは無いと思いますので、まだまだパターンが複数存在していると思います。
ですが、この通りにシナリオが構成できれば、ある程度の説得力を持たせられることがわかりました。

ぜひ、あの音楽を聞きながら読んでください。

情熱大陸の5段階要素

情熱大陸的な感動を与えるには、5段階必要です。

  1. 惹き付け
  2. 土台作り
  3. 関係強化
  4. 快感
  5. 上昇

各要素を簡潔に補足します。

1. 惹き付け

  1. その人物らしい特徴的なシーンを短く見せて視聴者の記憶と連動させる
  2. 他では見られない意外な素顔(弱み等)を見せてコンテンツの差別化をする

この部分がまず最も重要です。そもそも見てもらえるかの分かれ目になります。え?これ誰?とならないように、ハイライトを強調したり、直近の実績を見せることで、あなたにも関係のある人物ですと紹介をするわけです。

既に知っている人、ファンの人が見たときには、他との違いを強調しておくことも欠かせません。そのために、長期密着取材だからこそできる、意外な一面を持ってきます。
意外な一面、素顔(主に弱み)を見せる意図は、差別化だけではなく、この先の共感を得ていくための重要な要素です。決して省いてはいけません。

2. 土台作り

  1. どれ程すごいかという今現在の成果を短く見せて強調する
  2. 誰もがたどった幼少期からの成長を見せて自分の事のように感じさせる
  3. 過去の経歴を振り返り苦労した経歴を見せる

これで、共感の土台を構築します。要は、自分ごとであったり、身内であったり、当事者感覚にさせる錯覚を誘導します。

そのための最初の手は、どれだけすごいかをハイライトで見せる事です。成果で説得力をもたせます。そして、幼き日にさかのぼり、視聴者自身の体験の記憶とのリンクを形成します。その体験を確固たるものにするために、苦労話が入ります。ここで、苦悩の共有を図るため、それが開放されるまでは、途中で見ることを止められなくなります。

3. 関係強化

  1. ほんの少し前の好転し始めた頃からの経歴を見せる
  2. その現場での苦労を見せてがんばってることへの共感を得る
  3. 自分の事として応援させる(成功は約束されているため安心して同調できる)

ここまでくれば、もう成功への階段を登るモードです。早く救済が必要だと、視聴者が求めています。

しかしその成功があまりにも単純であれば、得られる快感は限られてしまいます。そのため、長期の取材期間を最大限に活かして、今現在からすれば少し前にあたる苦しんでいる段階をはっきりと見せます。もちろんそこで、取材対象はがんばっています。がんばって、もがいているので、多くの人はさらなる共感を得ます。あんな偉業を成した人でも、あこがれの人でも、同じ人間なんだ、というやつです。

当然、はじめにいま現在の華やかな成果を強調しているので、この苦しみは開放されることが約束されています。よって、人は安心してその苦しみを味わい、娯楽として追体験することができます。もしその安心がなければ、人々は苦い思いに耐えきれません。人生ですでに様々な問題を抱えている視聴者からすれば、わざわざ見たいとは思えないものになってしまします。それは避けねばなりません。

4. 快感

  1. 素顔を見せて心理的距離感をより近づける
  2. 病気や挫折などの弱みを具体的なエピソードで見せて共感を最大化する
  3. そのエピソードを惹き付けパートの意外な素顔につなげて答えを得た快感を感じさせる

いよいよ、開放の時です。成果となっているアウトプットからは想像ができないような、成功の裏にあった葛藤を垣間見せ、その中での知られざる挫折を一人の人間として乗り越える様を見せます。すでに協調している視聴者は、成長を自分ごとのように感じ、快感を得ます。

音楽の力も利用し、当然に心拍数が上昇し脳内に快感物質があふれる状態をわかりやすく提供します。

加えて、挫折や重責を乗り越える過程で見せる意外な素顔こそが、冒頭で表れた意外なシーン、素顔になります。要するに答え合わせです。視聴者は答えを教えてもらったことにも、快感を覚えます。

5. 上昇

  1. 快進撃を実況する
  2. 一段レベルアップした日常を見せつけて成長を感じさせる
  3. 自分が成長したような感動を与えつつ取材対象の今後に注目させる

ここで終わらない、これからもまだまだ続いていくんだ、という状況を共有します。取材対象のファンの獲得や関係強化に貢献します。苦悩を克服する様を追体験した視聴者からすれば、これからのあらゆる行動は、レベルアップしたあとの世界での出来事です。全く違った視点で、共感を伴い、応援することになります。無双状態であり、何をしても快感になります。敵が弱いのではなく、自分が強くなったから、いま快進撃が起こっていると認識します。

ただし、単調な感動ものになったりマンネリ化を避けるために、何らかの癖のある後味を残すことをここで加えておきます。アテンション過多の時代において、意識させること、後から考えさせること、話題に上らせることはとても重要です。スッキリして終了では何も残りませんので、完全なスッキリにならないように心がけ、一定のアテンションを奪います。

最後に、快感状態の視聴者にスポンサーの存在を刷り込んで終了です。

進撃の巨人も参考までにどうぞ。

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