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雑記

USDT はどういう使われ方をしているのか?

ステーブルコインの話題が続きます。実際、現時点でもっとも普及している USDT はどういう使われ方をしているのでしょうか?それを少し見てみます。

まず、どこで買えるのかということから。買える場所は、日本人的には非常に限られています。一覧はここに出ている取引所を参照してください。

公式には日本人が買えるような環境はないわけです。Binance は日本人でも使おうと思えば使えますので、そこが一番手に入りやすいのかもしれません。

しかし性質上当然ですが、価格が上昇するというものではありません。本来の趣旨からすれば、仮想通貨取引所間の資金移動や、運用時における安定資産としてのヘッジ先が想定されます。

取引所間の資金移動に関して考えてみましょう。

USD に変換すると、税金や引き出しコスト(時間含む)や規制がややこしい局面で、仮想通貨である USDT であれば他の仮想通貨同様に高速に移動することができます。また、Tehter 社の信用の範囲であれば、資金を高いボラティリティから守り、保管することができます。一旦 USD に変えて保持するよりも、仮想通貨のまま保持している方がメリットがある局面は多くあります。

USD に変換することに比べて金銭・時間コストが安く抑えられれば、USDT 対応機関(取引所)同士ならアービトラージのための資金移動だろうが、OTC の決済だろうが、とてもシンプルに実行できます。BTC から USD にして引き出すまで、金曜午後なら数日かかってしまうことを考えれば、いかに便利かがわかると思います。国を跨ぐ場合はなおさらです。USD だと各基軸通貨との為替レートもあるため、外国で USD 建で引き出したり送金したりするのは頭の痛いことです。

日本の取引所では直接 USDT にできないので、もちろんそれが可能な取引所間での取引が前提の話です。また、個人よりも、大口顧客や取引所自体がお互いの資金移動等々に使うシーンが中心なので、民衆のためのものではありません。

DAI や Libra とは根本的に目指す方向性が違うのです。

余談ですが、このところ急騰している Ethereum の手数料に関して、USDT の価格維持のために Ethereum 上で取引されている USDT の影響が大きいという記事も出ていました。Ethereum リソースの一定割合が、USDT の運用に使われており、それによって負荷が高まっているとのことです。記事のタイミングの話ではありますが、USDT が消費した月間 Ethereum の手数料は、$260,000 とのこと。

In the last 30 days, Tether paid computers which process transactions on Ethereum’s digital ledger $260,000 in fees, according to data researcher Ethgasstation.info.

Ethereum ‘Almost Full’ as Controversial Coin Gobbles Up Capacity – Bloomberg

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