ついに動いたビットコインの価格!その要因と今後の動向について。今週のニュースをまとめてお伝えします。
タグ: 調達
CoinDesk の Index では、$494.16 まで上昇しました。取引所によっては一時 $500 を超えたところもあります。ほぼ1ヶ月ぶりの高値水準となりました。
要因について、CoinDesk では以下のように分析しています。
The news follows a steady stream of positive press for the industry, including the successful Bitcoin2014 conference in Amsterdam.
That even saw major speakers such as Overstock CEO Patrick Byrne, Circle CEO Jeremy Allaire and Bitcoin Foundation chief scientist Gavin Andresen give high-profile talks that may have helped refocus the community on the larger implications of bitcoin and its potential impact on the global finance space.
オランダで行われたビットコインのカンファレンス、Bitcoin2014 にて良い情報が多く発表され、それに価格が追随したとの見方です。
ビットコインのプレイヤーが登壇して明るい未来を語ったおかげで、再びビットコインへの投資が加熱し始めたということです。
Additionally, it comes on the heels of a string of major announcements — such as Circle’s product debut, BitPay’s $30m Series A funding round and positive comments from US government agencies.
加えて、BitPay の大型調達を始めとする最近の良いニュースが流れを後押ししているようです。良いニュースが出ても価格が上がらなかった分、いまになって一気に上昇エネルギーに転換されています。
A main driver of the decline in the price of bitcoin had been negative news from China, once one of the digital currency’s largest markets.
However, in recent weeks, announcements from the country have been more positive, or at the very lease, less negative.
中国発の悪いニュースが落ち着いたことも要因だと捉えています。
ビットコインを支える割合が非常に高いチャイナマネーの行方は、常に話題の中心でした。これまでにも何度も、中国の動向がビットコインの価格に影響を与えています。
しかし直近の中国発のニュースは、これまでに比べるとマシなものになったため、マイナス要因として相場にブレーキをかけるほどのインパクトを持っていないと言えます。あるいはもう悪いニュースが出尽くした感じもあるります。中国の動向については、ワーストケースを想定した上で動いている投資家が大半だと読むこともできます。
さて、この上昇傾向はいつまで続くでしょうか。安定水準から外れたビットコインの価格が行く先が気になります。
CNBC のインタビュー映像が公開されました。
先日大規模な調達を発表した BitPay の Co-Founder & CTO、Stephen Pair へのインタビューです。BitPay と言えば、東芝との提携も先週話題となりました。
インタビュー内では、以下のような内容を話しています。
- ビットコインビジネスにおけるリーダーとなることを目指している
- 過去の時代に作られたクレジットカードを BitPay は置き換えていく
- 今後より多くの小売業者がビットコインを導入する
- 犯罪への対策は忘れてはいけないこと
その他、ファイナンスの背景も語っています。インタビューの全体はこちらです。
CTO がスーツを着ていると、ちゃんとした会社感がすげー、と思いました。
参考リンク
ビットコイン決済サービスの BitPay が $30M の調達を行っているようです。約30億円相当ですね。バリュエーションは $160M とのことです。
興味深い箇所を TechCrunch の記事から引用します。
The company is raising $30 million on a roughly $160 million valuation in a round led by Index Ventures, with Richard Branson and Yahoo co-founder Jerry Yang participating.
金額も大きいですが、注目すべきは投資家です。
- Index Ventures
- ヴァージン・グループ創業者の Richard Branson
- Yahoo! 創業者の Jerry Yang
さらに、シードラウンドでも注目に値する評価を受けています。
The Atlanta-based company has previously raised funding from Founders Fund, along with angel investors including WordPress’ Matt Mullenweg and bitcoin regulars Roger Ver and SecondMarket CEO Barry Silbert.
- Founders Fund
- WordPress 創始者の Matt Mullenweg
- SecondMarket CEO の Barry Silbert
- Steve Jobs の中の人 Ashton Kutcher
などなど。
そして、ライバルも相当な勢いがあります。
With BitPay’s previous funding round, the company’s financing tops the combined $26 million that Boston-based rival Circle has raised from Accel Partners, or the $31 million that San Francisco-based Coinbase raised from Andreessen Horowitz and Union Square Ventures or the $20 million round that Benchmark led for Xapo.
Accel Partners、Andreessen Horowitz、Union Square Ventures、Benchmark。著名な投資家や VC が次々とビットコイン関連スタートアップに投資していることがわかります。小規模なものであれば、500 Startups の投資も話題になりました。
アメリカの投資家、スタートアップの勢いは止まりません。近い将来、イノベーションが起こる気配が濃厚になってきました。
2014年4月ビットコイン市場の総括
低い水準を維持し、新しいビットコインの価格水準を示した月となりました。
先月までの総括はこちらにあります。
過去には 1BTC が10万円、7万円という時期もありましたが、直近の動きからは450ドル(4万5千円前後)が妥当な価格となっています。3月までの悪い流れを受けて低い水準での動きとなっていますが、4月に強力なプラス材料も無く、価格の底上げが期待できる場面はありませんでした。
逆の見方をすれば、落ちるところまで落ちて、安定したとも言えます。
CoinDesk のチャートと、取り上げたニュースで振り返ってみます。
前半で注目するポイントは、350ドル近くまで急落している場面です。この時、新たに中国での規制問題が発生し、中国系の取引所をきっかけとした信用不安が起こりました。口座の凍結に関する噂が出るなど、マウントゴックスの問題が頭を過った人も多かったのではないでしょうか。
しかし、すぐに状況は落ち着きます。規制が回避されるとの見通しにより価格は上昇します。それでも根本的な解決には至っていなかったために、予想通り上昇は長続きしませんでした。
またこの時、日本ではマウントゴックスの破産手続きが開始されます。買収して再建するという今後の可能性が出たり、債権者主導で再建するという提案が出たりと、中長期的にはポジにティに捉えることができる話題も合わせて出てきています。いつまでもズルズルと問題が長引いても良いことはありません。今後の方向性についてイメージできる決定がなされたことは、少なくともこれ以上の事態悪化を避ける事ができるという意味で、良い事だと言えます。
詳しくは、マウントゴックスの今後についてという動画でも解説していますので、あわせてご覧ください。
後半にかけては、ビットコインが勢いを取り戻しているような印象を受けるニュースが続きました。採掘ハードウェア販売会社のデータセンターの写真が公開されて話題を集めたり、500 Startups によるビットコイン関連スタートアップへの出資が決まったりと、まだまだビットコインに情熱を注ぐ人たちがたくさんいることを証明してくれました。
それ以外にも、MIT 全学生に対するビットコインの配布が決まったり、月末(日本時間では5月1日)にBloomberg がビットコイン市場価格を配信という良い話題が続きました。主に北米、アメリカを中心としてですが、ビットコインの流通、取引が活性化される兆しが見えてきました。
これから夏にかけては、新たな取引所が誕生したり、ビットコインを取り扱う店舗が増えたりというニュースも控えています。厳しい出来事が続いた冬を乗り越えて、ビットコインにもようやく暖かい季節が戻ってきたと言えるのではないでしょうか。
当サイト BitBiteCoin.com では、これからも引き続きビットコインの情報をお伝えしていきます。これまで平日毎日配信としていた動画ニュースについても、配信スタイルを少し変更し、リニューアルする方針です。まずは毎週のまとめニュースというスタイルを導入し、より質の高い情報を配信できるように努めていきます。
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勢いのあるスタートアップを次々と輩出する 500 Startups が、ビットコイン関連の事業を立ちあげた5社に出資を行いました。
1社あたりの調達金額は $100,000(約1,000万円相当)です。シードマネーを手にした事以上に、500 Startups に認められたという事、そして今後 500 Startups の豊富なリソースが活かせるという事が非常に大きな意味を持ちます。
次の数ヶ月で最初の成果、製品が出てくることになります。注目の5社は以下のとおりです。CoinDesk の記事からの引用と、AngelList で見つけたリンクを掲載します。
GoGoCoin
- GoGoCoin – sells bitcoin in gift card form to provide an easy way for users to obtain their first BTC;
ビットコインをギフトカードとして販売する製品。
Bonifide.io
- Bonifide.io – anonymous transaction ratings for people in order to build up a reputation score;
商取引におけるユーザーの信用度をスコアリングする製品。
Coinalytics
- Coinalytics – bringing real-time data to users in the form of information analytics and news aggregation;
リアルタイムで通貨のデータを解析して提供する製品。
Neuroware
- Neuroware – HTML5 wallet, private keys are stored in a user’s brain using distributed deterministic components;
HTML5 で作られたウォレット。脳内にビットコインを持つ、というなんだかすごそうなコンセプトです。
Monetsu
- Monetsu – focusing on merchant adoption and payment processing.
次世代の決済ツールを提供する製品。
以上です。
ビットコイン関連の事業においては、技術開発だけではなく、金融関係の知識やコネクション、高いビジネス開発の能力も必要となります。加えて、セキュリティーやユーザーに対するビットコインの説明など、多くのハードルが待ち構えています。それでもなおこの分野に挑戦するこれらのスタートアップに敬意を表し、これからも動向を追っていきたいと思います。
