公開直後に観て、大変によかったというのがシンプルな感想です。
隣の席で診ていたお兄さんは、終始震えて涙をすすっていました。最後に「すげぇ」と呟いて席を立ったのは、理解できました。逆に、初期のウルトラマンに触れたことがない人にとっては、きっと意味不明な映画だともおもいました。親に連れられて間違えて紛れ込んだであろう小さな子供は、騒いでいました。それもよくわかります。
小学生の時、ウルトラマン全シリーズをビデオで繰り返し観ていたことを強烈に思い出しました。ウルトラ兄弟テーマソングのアルバムをカセットテープに録音して、いつも聴いていました。ウルトラマン大百科も丸暗記するほど読んでいました。
上映が始まるまで、そんなことを忘れていたのです。なぜそもそも観ようと思ったのか、劇場まで足を運んだのか、深く考えていませんでした。それが当たり前のようにそこにいたのです。
思えば、時代遅れの子供でした。完全に、世代ではないはずなのに、強くウルトラマンシリーズの影響を受けて育ちました。小学生のころにはゴジラのファミコンゲームにも夢中になったし、高校生の時には仮面ライダーのオールナイト上映にも行きました。どうやら、シン・シリーズの路線がそもそもストライクなのでしょう。
エヴァで人生が変わったと思っていたのですが、エヴァと特撮の関係性に気づいたのはシン・シリーズが本格化してからです。つまり関係性を意識する前から、エヴァの誕生に影響を与えていたコンテンツに対して、強い関心を抱き、影響をうけていたということです。逆に、エヴァに至ったのは当然だったということでしょうか。思えばウルトラマンに夢中だったあの頃から、出来上がっていたのでしょう。高度な機械学習などせずとも、趣味嗜好の傾向がはっきりしています。
シン・ウルトラマンを観た後から、まるで病にかかったように、ウルトラマンに関する考えが止まりません。案の定というか、頭の中でウルトラマンをきっかけとした思考が巡っています。歌も、流れ続けています。これ以上考えても得られるものは少ないとわかっているのに、色々と調べ、考えてしまうのが辛いです。