先日、六本木ヒルズの森美術館で開催中のサンリオ展を観てきました。なぜかというと、はじめて New York に行った時に Times Square で堂々と陣取るキティーちゃんを観て、家電大手メーカー以上の強さを感じてから、その歴史に興味を持っていたからです。
残念ながら今ではもう Times Square の店舗は無くなったようですが、TOSHIBA が無くなって SAMUSUNG ばかりになってもサンリオがいた事に感動をしたのでした。
まず知らなかったのが、最初はオリジナルキャラクターの会社ではなかったという事です。有名なキャラクターや他社が作ったキャラクターを取り扱っていたところから、独自路線へと切り替えてキャラクターを作り上げていく過程が紹介されており、興味深く観ました。初期の案は、今に通じるものを感じるものの、キャラクター性が全く異なります。
転機となったのがマイメロディというもの以外でした。てっきり、キティーありきと思っていたからです。というか、サンリオにはオリジナルキャラクターがとんでもなくたくさんいるということを始めて知ったのです。
その人気の変遷の中で、言葉の定義を作り、時代の流れを明らかに作っていました。
かわいいの定義や、その流行が変えたもの、今のサンリオキャラクターが目指す世界観など、非常に説得力を持って説かれていました。ただの場当たり的な可愛さではない長期の戦略があっての今なのです。
自社媒体を持ったことの意図も、先進的でした。ファン同士のコミュニティーを構成することで、そこに居場所を作るわけですが、宗教にも通じる規模のカワイイを成立させた背景が正当なアプローチであったことがわかります。
また、自社媒体の最初の表紙は縁があったスヌーピーだったらしく、成立過程のサンリオがどのようにレバレッジを効かせようとしたのかが垣間見えます。
やなせたかしが、アンパンマンの前にサンリオの仕事をしていたのには驚きました。その中で、アンパンマンの原案が登場しています。それがサンリオのキャラクターにならなかったという事実は、サンリオという会社の自社製にこだわる方針を感じさせます。
初期のシナモンは、完全にきゅうべぇでした。