
友人の経営者から、Google 名誉会長の村上憲郎氏の講演があるから申し込んどくよ?と連絡が来たので、そのまま申し込みをお願いし、参加してきました。少し前のことです。結論から言うと、今回村上さんにお会いできて、非常に良かった。それはなぜかは後ほど。まずは講演とパネルディスカッションのメモ。
Google のビジネスモデル
- Google のビジネスモデルは100%広告モデルであるべき
- 広告はネアンデルタール人時代から存在する不滅のビジネスモデルである
- 現売上2兆円のうち97%が広告売上
- 広告だけにしたい
- Google はコンテンツを持たない
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ブリッジの役割のみを果たす
- インターネットのすべてを無料化させようとしてるわけではない
- 1ページで明確に語れるビジネスモデル・ビジョンに従うのみ
最大の強みであるサーバーインフラ
- 現状を見越して意図的にサーバーインフラを自作していたわけでは無い
- コストを下げるための努力が結果的に競合優位性につながった
- データセンターは東京ドームサイズが世界に2桁以上存在する
- PUE 1.2 を切っている
Google 流経営
- 経験豊富な経営陣の役割は若者が過去の失敗を繰り返さないようにすること
- 20%ルールは時間じゃなくて労力の問題
- 報酬は時間拘束の対価では無くアウトプットされた成果物への対価
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それを機能させるのが360度評価
- 上司・同僚・部下などが評価する
- 20%の対象は年単位でチームにコミットする
- 各クオーターごとにレビューする
- Google の主力サービスはそのほとんどが20%ルールから生まれている
- 活発な中から生まれてくるものに意義がある
- これぞ究極の民主主義
- 技術者は金儲けを考えなくて良い
- IT 業界はサービス業である
- サービス精神が重要
Google 流採用
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面接は同僚が行う
- エアポートテスト
- 楽しくなければ仕事じゃない
- 寮の雰囲気で仕事をする
- 天才しか採用しない
- いわゆる Hacker タイプしか採用しない
- 論文を書くタイプは不要
自分がやるべき事
印象に残ったのは、「なぜイノベーションはいつもシリコンバレーから生まれるのか」、という質問に対する村上さんの回答。なんと、「わからない」でした。この回答はかなり刺激的でした。日本だけじゃなく、世界中の他のどんな地域からもイノベーションは生まれない。なぜかシリコンバレーなのだ、という回答。イノベーションを起こすにはそこへ行くしかないということがハッキリしました。
話を聞いているとき思ったのですが、エンジニア目線で Google 関係者の話を聞くことはあっても、経営者目線で話を聞けることはこれまでにありませんでした。それも、トップの話を直接、です。
講演後、パーティーがありました。僕と友人の経営者は二人で村上さんの所へ行き、今日の話しが刺激的だったこと、自分たちがこれからやりたいことをまくし立てるように話しました。すると村上さんがこんな風に言ってくれました。
「前から2番目に座っていた二人だね。僕は君たちに話していたんだよ。君たちが大きく頷きながら聞いているのを見ていた。がんばってね。」
あまりに刺激的な話に、ニヤニヤこそこそしながら聞いていたのですが、この言葉は嬉しかった。例えリップサービスだったとしても、こんな風に若者を奮い立たせる村上さんがカッコイイ。
気づいたときには、「シリコンバレーに行きます。そこで会いましょう。」と言っていました。
大切なのはここから。改めて現状を認識し、確実に前進できるよう、できることを最速でやっていこうと改めて決意しました。