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仮想通貨 用語解説

IPFS

データを分散共有、保存するためのネットワークシステムです。中央集権的な構造でデータを保有するクラウドサーバーシステムに対して、ネットワーク全体に散らばった賛同者のストレージにファイルを分散化させ保存させる技術です。

URL を使って「どこにファイルが有るのか」を管理する Web の基本的な仕組みは、中央集権的に設計されています。それはインターネットの成り立ちからして、本来は大きな中央が集中管理するものであったためです。ここまで一気に、草の根的な利用のされ方も含めてひろまっていくことは想定されていませんでした。今でこそインターネットは民主主義の味方のような立ち位置ですが、それは結果的にそうなっているだけであって、設計思想はそうではありません。
そんな Web の仕組みは、時折ダウンします。長時間に渡って、サービスが利用できなくなることは現代においてもまだ日常茶飯事です。簡単に管理統制できる反面、その中央がダウンすれば、すべてが止まってしまうわけです。

Web がダウンするのと同じく問題となるのが、インターネット上のファイルの消失です。ファイルをホスティングするユーザーがダウンしたり、障害によってデータが消失すれば、二度とアクセス出来なくなってしまいます。
そんな中央集権管理の問題を解決するために開発されたのが、IPFS です。IPFS は、ネットワークに参加する賛同者のストレージ要領を共有し、そこにファイルを分散共有することで、複数の拠点での分散保存を実現したり、読み出し速度を向上させたりします。ネットワーク内部では、P2P の技術を使ってファイルが伝送されてます。

IPFS のネットワークが拡大し、データの永続性を高めるためには、多くのユーザーがストレージを開放し、ネットワークに提供することが求められます。問題は、その役割を完全にボランティアに頼ってしまうことです。分散化技術全般に言える、課題です。電力やストレージという資源を提供している人にもインセンティブを設計しなければ、ネットワークは拡大せず、データの冗長性は保たれません。

そこで、IPFS の参加者に対して報酬を支払うためのトークンも作られています。IPFS 上で稼働するノードに対しるインセンティブ設計を行うトークンが、Filecoin です。
データを確実に永続化して保存することを目的として開発された Arweave は、このモデルを参考にし開発されています。

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