7月23日に、マウントゴックスの債権者集会が開かれました。当日配布された資料は、公式サイトからダウンロードできるようになっています。
Mark Karpales 氏も出席した集会は、一切の撮影、録音が禁止されていました。全容は参加した債権者しか知ることが出来ませんでした。この記事では、当日の発表や質疑応答から要点をまとめてお伝えします。
先に結論を述べると、配布資料でわかること以上の情報はありません。キーワードは、調査中、検討中です。
ビットコインが消失した原因は?
- 原因は不明
- 調査中
ビットコインだけじゃなく、銀行の預金も減っているがその原因は?なぜ?
- 原因は不明
- 調査中
破産時の決算書だけでは無く、破産前の決算書を公開してほしいがその予定はあるか?
- 検討中
ブロックチェーンの記録をたどれば発見できるかもしれないが、アドレスを公開する予定はあるのか?
- 調査にどのような影響が出るのか不明なため大事を取って公開は控える
ビットコインの専門家では無い組織に頼らず、コミュニティーに調査協力を依頼すべきではないか?
- リスクを考えて情報公開はできない
国際的な事件として FBI 等に協力を要請しないのか?
- 刑事事件としての質問は回答できない
なぜ債権者集会を公開しないのか?
- 債権者のために開かれているから一般に公開できるものではない
- 規則に従っている
債権者のほとんどが海外にいるが、どう説明する?
- いまのところネットを使った配信の計画は無い
ハガキで全世界に通知するのは無駄だとは思わないか?
- 一般的な流れに則ってハガキが送付された
- 今後はメール等で連絡をする予定
今後もし資産が分配されるとしたら、ビットコインで分配されるのか?
- 法律上は換金する必要がある
- ビットコインでの変換を希望するか?という破産管財人の問い
- 参加者一同は拍手喝采←クライマックス
- 実現性は不明
- ビットコインで配布するという方向性で検討は進める
スポンサーは見つかるのか?交渉中なのか?
- 複数組織が名乗りを挙げている
- 最も債権者にとって利益となるスポンサーを選定する
債権者側からの届け出の時期は?
- 11月を予定していたが延びる
- 追って連絡がある
以上です。次回は、11月に開催する予定とのことです。日本語縛りの質疑応答を撤廃することと、内容のネット上への公開を実現して欲しいと思いました。
当日参加した債権者及び代理人は、多くが日本語ネイティブではない人たちでした。ましてや、世界中に散らばる債権者の大半は、日本に来ることもできない人たちです。そんな状態で、まともな情報公開、調査ができるとは思えません。
ビットコイン自体がそうですが、今回の事案を通して改めて、法律や環境の整備が全く整っていないということを実感しました。
自由を求めたビットコインにとっては皮肉なことですが、管理、保護を避けた仕組みの弊害が露骨に表れています。
後に振り返った時に、歴史的な事件として語り継がれていることになりそうです。