マウントゴックスが自力での再建を断念し、破産となります。
この件については、多くの疑問や問い合わせがマウントゴックスによせられると思います。そのため、基本的な質問事項と回答としてマウントゴックスの Web サイトに PDF が掲載されています。
要点をまとめると、次のようになります。
- 自力での再建は困難と判断されたので破産する
- 現時点での保有資産等は調査を待つ必要がある
- 債権者に対して配当があるかどうかはわからない
- 債権者がいますぐ債権届出をする必要は無い
- 問い合わせをしてもこの文書以上のことは説明できない(から電話しても意味無いですよ)
- 債権者の人にはとにかくしばらく待ってほしい
- 新たなスポンサーの元でマウントゴックスが再建される可能性はある
マウントゴックスが発表している質問と回答の全文は以下に引用します。オリジナル文書はこちらにあります。
現状
Q なぜ民事再生手続開始の申立てが棄却されたのか?
A MTGOXによる民事再生手続の遂行が難しい状況下、東京地方裁判所(以下「東京地裁」といいます。)は、MTGOXによる民事再生手続の遂行が難しいと> 認め、民事再生手続開始の申立てを棄却する旨を決定しました。
Q 今後の手続はどうなるのか?
A 裁判所が決定する事項であり、回答する立場にありませんが、裁判所が、然るべき時期に、破産手続を開始する決定を行うことが予想されます。
Q 保全管理命令とは何か?
A 破産手続開始の決定までの間、一時的に、裁判所が選任する保全管理人にMTGOXの財産を管理処分させる裁判所の命令です。
保全管理人として、民事再生手続で監督委員兼調査委員であった小林信明弁護士が選任されました。
Q 一定の弁済、担保設定、財産処分を禁止等する命令とは何か?
A 破産手続開始の決定までの間、1裁判所の許可なしに、平成26年2月27日までの原因に基づいて生じた債務の弁済や担保の提供をすること、2一定の財産の処分を禁止又は 制限する裁判所の命令です。
Q 包括的禁止命令とは何か?
A 破産手続開始の決定までの間、債務者の財産に対する強制執行等や国税滞納処分を禁止する裁判所の命令です。
Q 破産手続が開始した場合、その後どのような手続になり、いつまで続くのか?
A 破産管財人が選任され、破産手続を遂行し、財産の管理とともに、債権者の確認調査等を行うことになります。いつまで続くかは現時点ではわかりかねます。
Q 債権者集会は行われるのか?
A 現時点では未定です。
なお、破産手続を開始する場合には、開始するときに、破産債権者集会の開催についても決定されます。
Q MTGOXの代表者はどうなるのか?
A 保全管理命令により、MTGOXの代表者は、MTGOXの財産を管理処分する権利を失っていますが、保全管理人は、今後も必要に応じ、協力を求める予定であり、代表者はこれに積極的に応じる意思を示しています。債権届出と調査
Q 債権届出をいつまでにどのようにすれば良いのか?
A 債権届出の期間等は、破産手続が開始した場合に裁判所が定めます。したがって、債権者の皆様が現時点で直ちに債権届出をする必要はありません。今後、破産手続が開始した場合において、債権届出期間や調査期日等が定められたときには、破産手続の中で、破産 管財人により、一定の時期に、債権届出の方法等について情報提供がなされるものと考えております。なお、破産手続が開始した場合においても、必ず債権届出期間や調査期日が 定められるとは限りませんし、定められる場合でも、破産手続の開始と同時に定められるとは限りません。財産管理状況
Q 自分がMTGOXに預けていたコインの枚数を知りたい。
A MTGOXが従前ウェブサイトにおいて行っていた対応(残高確認)は、当面、引き続き継続する予定です。
ただし、MTGOXのウェブサイトでご確認頂く残高は、あくまでも、ユーザーの皆様の便宜のためのものであり、ご確認は、債権届出をしたことを意味するわけではありませんし、将来破産管財人が当該金額の債権を認めることを意味するわけではありません。したがって、当然ですが、ご確認頂いた残高の全額が破産手続になった場合に破産債権として認められるとは限りませんのでご注意ください。
破産手続が開始した場合、破産債権は、債権届出及びその後の債権調査手続により確定することとなります。
債権届出の方法等につきましては、上記のとおり、今後、破産手続が開始した場合において、債権届出期間や調査期日等が定められたときには、破産手続の中で、破産管財人により、一定の時期に、債権届出の方法等について情報提供がなされるものと考えております。なお、破産手続が開始した場合においても、必ず債権届出期間や調査期日が定められるとは限りませんし、定められる場合でも、破産手続の開始と同時に定められるとは限りません。
Q MTGOXに預けていたビットコインや金銭を返して下さい。
A 東京地裁により、弁済、担保設定、財産処分を禁止等する命令がなされており、ビットコインや金銭の返還は法的に禁止されています。なお、破産手続が開始した場合には、破産法に基づき、返還が禁止されます。破産手続が開始した場合の配当については、後述のとおりです。
Q MTGOXはビットコインや金銭を幾ら保管しているのか?
A MTGOXの財産については、保全管理人が管理しますが、ビットコインの数量や金額等については、今後、保全管理人や(破産手続が開始した場合には)破産管財人による調査等(専門家等も関与することが予想されます。)なされていくものと予想しています。
Q 保全管理人は、今後、無くなったと言われているビットコインや金銭の調査をするのか?
A 破産手続が開始した場合には、破産管財人が、財産の管理をする中で、可能な限りで調査を行うものと予想しております。保全管理人においても、現時点において、専門家等の協力を得ながら、可能な限りで調査を行うことを考えています。
なお、従前MTGOXは、捜査機関に相談をしており、保全管理人も、捜査機関から要請があれば捜査に積極的に協力するつもりです。
Q MTGOXが運営するビットコインの交換取引所はどうなるのか?
A 現時点では未定ですが、今後、破産手続が開始した場合には、MTGOX自身が交換取引所を再開することは考えられず、交換取引所等の事業を承継する適切なスポンサー候補者の有無及び適切なスポンサー候補がいる場合には当該スポンサーへの承継等の様々なことが検討され、交換取引所の処理が決定されることが予想されます。配当
Q 破産手続が開始した場合、配当はあるのか?どのようになされるのか?
A 現時点ではわかりかねます。今後、破産手続が開始した場合には、破産管財人が、破産手続を遂行していく中で、裁判所と協議しつつ決定するものと予想されます。その他
Q MTGOXの代表者の責任は追及されないのか?
A 破産手続が開始した場合には、破産手続の中で、代表者の責任の有無を含め、調査がな
されるものと予想しております。
Q スポンサーへの事業等の承継は考えられないのか?
A 今後、保全管理人や(破産手続が開始した場合には)破産管財人の下で、適切なスポンサー候補者の有無、及び当該スポンサー候補がいる場合には当該スポンサー候補への承継等の様々なことが検討されていくものと予想しています。
Q MTGOXの関係会社はどうなるのか?
A 現時点において、民事再生手続や破産手続の開始を申し立てたとは聞いていません。
なお、関係会社との関係については、今後、破産手続が開始した場合には、破産管財人が適切に管理処理していくものと予想しており、関係会社も、MTGOXに積極的に協力する意思を示しています。
Q 保全管理人と直接話したい。
A ユーザーを含め、関係者が極めて多数であることもあり、保全管理人への直接のご連絡はご遠慮いただき、不明点はコールセンターにご連絡下さい。ただし、現時点では、コールセンターにおいても、この別紙以上のことはお答えできない状況であることを、ご理解ください。
Q 自分は債権者又はビットコインをMTGOXに預けているユーザーとして認識されているのか?
A MTGOXのウェブサイト(https://www.mtgox.com/)でご確認頂く残高の確認により一定のビットコイン残高を確認したとしても、MTGOXにより債権者又はユーザーとして認識されているとは限りません。債権者又はビットコインをMTGOXに預けているユ ーザーの特定については、今後の手続において、必要に応じ、一定の方法で、債権者又は 当該ユーザーの特定手続を実施することが検討されると予想されますので、現時点においては、それをお待ち頂ければと思います。
Q 米国連邦倒産法第15章の手続や訴訟はどうなるのか?
A 保全管理人は、今後も、日本の手続において、国内外の債権者を平等に取り扱う必要があるため、日本の手続とともに、米国連邦倒産法第15章の手続も遂行する必要があると考えており、破産手続が開始した場合にも、それは同じことと予想しています。